妊娠ラットを使い、胎児を取り出して口唇部分に傷をつけた後に、もう一度子宮内に戻して正期分娩をさせてみます。
そうすると、胎生16日目までに傷つけたラットでは再生で傷が修復され、誕生後、口唇部にまったく傷痕を認めなかったのです。
・・・しかし胎生18日目以降のラットでは癒痕組織が残ることがわかりました。
ラットでは胎生16日目から17、18日目頃で、再生から搬痕治癒へと移行するようです。
ところで500人に1人の頻度で生まれるとされている唇裂(3つ口)は、超音波診断などの発達により妊娠3ヵ月くらいで診断できるようになりました。
安全性や技術的な問題は別として、その時期に胎児を取り出して裂部を縫い合わせておけば、傷痕がまったく残らずにすむということになります。
現時点ではリスクが非常に高いため、形成外科領域ではまだ行われていません。
しかし生死に関わるような重篤な疾患・・・
たとえば腎疾患や脳外科関係の疾患では、最近の内視鏡の発達もあって、胎児に対して手術も行われるようになってきました。
これは永久脱毛 などを行っている美容外科の話ではありません。